ダートにも注目したい海外競馬
日本の競馬は、ヨーロッパから輸入されたもののため、芝によるレースが主流になっています。イギリスやフランスでは、王侯貴族が馬に乗り、そこから発展したものがかの地の競馬ということが出来ます。よって英国式庭園を思い出させるように芝の敷かれた馬場というものが成立したとも言えます。
同じ海外であっても、アメリカは貴族の娯楽として競馬が生まれたのとは、少し背景が違ってきます。アメリカは移民の国であり、かつては開拓の時代がありました。いわゆる、西部の時代です。西部劇でおなじみの風景と言えば、大平原を行くキャトルドライブやカウボーイたちの姿。そこには、馬の存在は欠かせない物でした。馬は単なる移動手段ではなく、人々にとって時には友であり仲間であり、家族のようなものでもありました、そしてそこには娯楽としての馬の姿もありました。それが西部の各地、小さな町にもあった競馬です。
それらは、規模が大きいものではなく、単にどの馬が速いかを競うだけの小さなレースでした。しかしそれは人々にとって大きな楽しみであり、娯楽だったことは想像に難くありません。中西部の環境下で、簡易な娯楽として始まったのがアメリカの競馬と考えれば、ダートがアメリカで愛されている理由も明白。アメリカの歴史の一部だからです。海外のレースでは、その歴史を理解し感じることでさらに興味と面白さが増すのです。